平成30年度 電気通信大学Ⅰ類 編入学試験

6/22,23にH30電気通信大学Ⅰ類編入学試験を受験しました。 試験の記録だけメモ程度に残します。

受かってました、今年のⅠ類の倍率は4.2倍でした。(7/8追記)

筆記試験

数学 120点/120分

電通大の数学は大抵、線形代数2問、微積に関する問題1問、重積分1問、複素解析1問の計5問構成になっています。
他大学に比べるとひたすらに計算が重いので、問題集で典型を覚えた後は、過去問を周回して重積分や掃き出し法の精度を上げていくことが点数を安定させる一番の近道だと思いました。

1. 写像

3*1の列ベクトルが3つ与えられます。(1)で一次結合を求め、(2)(3)では写像,像,核すべてを求める電通大の好きそうな問題でした。
この問題は3*3の逆行列、行列の積、行基本変形を順番に計算しなければならず、計算難度だけで言えば過去問と比較しても最高難度だったと思います。
(1)はよく分からずu = c1*v1 + c2*v2 + c3*v3とか書いて放置していて、終わってから参考書を見るとどうやら典型問題らしく、知識の浅さを思い知りました。
点数: 20/30

2. 固有値,固有ベクトル

(1)(2)は3*3行列の固有値固有ベクトルをそれぞれ求めるだけの問題で、(3)は少し頭をひねる必要のある問題。
(3)は固有値が重解を持ち自明な対角化は使えない問題だったので、ちゃんと固有値固有ベクトルの定義と、それらを用いた対角化の導出方法を知っているか見たかったのだと思います。ぼくは(3)どころか(2)の行基本変形を計算ミスするというどうしようもない感じでした。
点数: 15/30

3. 2変数関数の極値

(1)偏導関数 (2)停留点 (3)極値
選択しませんでした。(2)(3)の難易度は高いと思います。
噂ではこの問題とほぼ同じ問題が東工大の過去問に出ていたと聞いたので、東工大に向けて対策をしていた受験者はガッツポーズでしょう。

4. 重積分

(1)二重積分 (2)三重積分
例年通りの問題でした。(1)(2)共に変数変換を行う必要があり、積分範囲が少々複雑ですが、過去問でしっかり対策していた受験者は問題無く解けたはずです。
(1)の計算過程でx^2/(1+x^2)の積分が必要になるため、計算方法を知っているかどうかでかなり難易度が変わったと思います。
点数: 30/30

5. 複素解析

(1)極値 (2)留数 (3)複素積分を用いた複雑な実積分の計算
これも例年通りの出題でした。過去問をしっかり対策していれば確実に解ける問題です。
点数: 30/30

合計 95/120
計算ミスで5点落とした事が悔やまれますが、実力は出し切れたと思います。
例年の難易度と比較すると全体的に易化気味であることは間違いないので、合格者の平均点は100点近くありそうです。

物理 90点/90分

電通大の物理は力学、電磁気学、熱力学の計3問構成になっています。10年ほど前には波動の出題もあったそうですが、最近ではまったく出る気配は無いです。
全体的な難易度は年により大きく変動しますが、基本的には 力学>熱力学>電磁気学 といった難しさになっています。
特に、電磁気学は参考書に例題として載っているような問題がそのまま出題されることがほとんどで、しっかりと基本的な参考書の例題を押えておけば爆死は避けられます。それに比べて力学と熱力学(特に力学)は凝った問題が多く、完答出来るかどうかは(僕の場合)かなり運に左右されます。とにかくヤマを張りました。

1.力学

一端を固定された剛体棒に質点をぶつける問題でした。この問題は丁度サイエンス社の力学演習に類題が載っていた事もあり、ヤマを張っていたので爆死は避けられました。
系の運動エネルギーを求められず死亡。
点数: 15/30

2.電磁気学

(1)~(3)は円筒の外部に発生する電場と電位、(4)~(6)では円筒を2本に増やした場合の静電容量を求める問題でした。
誘導がかなり丁寧で、出題者の優しさを感じました。(6)は知っていれば簡単、知らなければ少し難しかったのではないかと思います。2本の円筒間の静電容量をなぜかノートにメモしていたのであっさり答えられました。
点数: 30/30

3.熱力学

大雑把に、定圧熱容量と定積熱容量が温度Tの関数である場合のディーゼルサイクルの熱効率を求める問題でした。(1)と(3)でサイクルが吸収した熱量と放出した熱量を求める必要があるのですが、それぞれ定圧変化、定積変化であることに気付いてしまえばあとは熱容量の定義式通りに積分を実行するとあっさり解けたと思います。
この問題は(1)が解けるかどうかで手ごたえが大きく変わったのでは無いかなあ、と思います。
点数 30/30

合計 75/90
力学と電磁気学はヤマを張っていたところからの出題だったのでラッキーでした。
力学は去年に引き続き剛体からの出題で、さらに言うと運動方程式を一切解く必要が無いという珍しい出題でした。力学はH29から傾向が変化したと見て良いと思います。

英語 90点/90分

長文1問、作文1問の計2問構成になっています。電通大の英語はなぜか年々易化が進んでおり、今年は長文が1.5ページ程度しか無かったので時間を余らせたという人がほとんどだったはずです。しっかりと見直しをしましょう(戒め)。

1.長文

自動清掃窓?に関する長文を利点、弱点それぞれ2つずつ挙げて要約する問題でした。文中に「advantage」,「disadvantage」とデカデカと書いてあったり、とにかく分かりやすい長文でした。
手ごたえ 35/50

2.作文

2020東京オリンピックは日本にとって有益か?という質問に自分なりの理由を2つ以上挙げて答える英作文と、ソーラーシステムに関する英作文のうちどちらかを選択する問題で、オリンピックを選択しました。
文法の間違いに気を付けつつ、練習通り淡々と作文しました。
手ごたえ 30/40

全体の手ごたえ 65/90
はっきり言ってボロボロだったと思います。長文はthicknessという単語を厚さでなく濃さと訳したりなど、見直したらすぐに分かるようなミスを積み重ねました。厳しく採点されればもっと低い点かもしれません。

口頭試問

電通大の口頭試問は科によってあったり無かったりするという情報もあるため、ほとんどの受験者が専用の対策は特にせずに臨むものと考えられます。今年度はⅠ類だけ口頭試問が実施されたようです。
口頭試問の試験時間は10分程度で大問が2つ、それぞれ5分ずつという感じでした。
試験部屋に入ると即座にタイマーがスタートし、「じゃあそれ解いて」と言われホワイトボードに貼ってある紙に誘導されます。

1.進数変換

(1)8進、16進→2進
(2)16進→9進
(3)見てない
(1)はやるだけの問題だったのに、テンパって一度10進数に変換してから2進数に変換したりなどガバガバでした。ぼくは(1)を解くのが遅く、(2)は解けずに終わりました。
手ごたえ 1/3

2.線形探索の計算回数

線形探索のフローチャートが書いてあり、それぞれ「①ループのカウント変数を比較する部分、②一致しているか比較する部分、③カウント変数のインクリメント」と番号が振ってありました。
(1){0, 1, 2}の配列から2を線形に探索するときの①、②、③の実行回数
(2){0, 1, 2}の配列から線形に探索するときの①、②、③の最悪実行回数
(3){0, 1, ..., n-1}の配列から線形に探索するときのn=2,3,4それぞれの①、②、③の平均実行回数
(4){0, 1, ..., n-1}の配列から線形に探索するときの①、②、③の平均実行回数
この手の問題が得意だったのもあり、完答出来ました。(3)の平均実行回数という言葉に聞き覚えが無いと、完答は難しい問題だったと思います。
手ごたえ 4/4

全体の手ごたえ 7割


まとめ

科目 手ごたえ
数学 95/120
物理 75/90
英語 65/90
3科目合計 235/300
口頭試問 7割

3科目の合計は大体220~240ぐらいだと思います。
受験自体はまだ終わっていないので、引き続き気合を入れ直し頑張っていきたいと思います。